抵抗式アッテネーター計算
減衰量(dB)と、信号源・負荷のインピーダンス(同じ値)から、T 型と π 型の抵抗式アッテネーターの抵抗値を求めます。
対象とする回路
このツールは、信号源のインピーダンスと負荷のインピーダンスが等しい(Z₀)、対称な抵抗式アッテネーターだけを扱います。T 型と π 型を、同時に表示します。入力側から見ても、出力側から見ても、インピーダンスが Z₀ になる設計です。インピーダンスは、純抵抗として扱います。
扱わない回路:L 型(入出力のインピーダンスが違う場合の最小損失パッド)、ブリッジド T 型、バランス型(H 型・O 型)、信号源と負荷のインピーダンスが違う場合、複素インピーダンス(周波数で変わるもの)。
計算式
K = 10^(減衰量 ÷ 20)(電圧比)とします。信号源と負荷のインピーダンスが等しいので、電力比の dB も、同じ値です(電力比は K²)。
| 回路 | 抵抗 | 式 |
|---|---|---|
| T 型 | 直列 R₁(2 つ。同じ値) | Z₀ × (K − 1) ÷ (K + 1) |
| T 型 | 並列 R₂(中央) | 2 × Z₀ × K ÷ (K² − 1) |
| π 型 | 並列 R₃(2 つ。同じ値) | Z₀ × (K + 1) ÷ (K − 1) |
| π 型 | 直列 R₄(中央) | Z₀ × (K² − 1) ÷ (2 × K) |
解説資料(Wikipedia「Attenuator (electronics)」)の式(A = 10^(−Loss/20) で書かれた式)と、K = 1 ÷ A として対応します。
K は、浮動小数点で求めたあと、有効数字 12 桁の分数にそろえ、そのあとの抵抗値の計算は、分数で正確に行います(減衰量が 20 の整数倍のときは、K が 10 の整数乗で、正確です)。減衰量は 0.01〜100 dB です(小さい減衰量では、K − 1 が小さくなり、桁落ちが大きくなるため)。表示は、有効数字 7 桁です。E 系列などの抵抗値への丸めは行いません。実際には、近い値の抵抗を選ぶ必要があります。
計算例
Z₀ = 50 Ω・減衰量 10 dB のとき(K ≒ 3.1623):
| 抵抗 | 値 |
|---|---|
| T 型 R₁(直列) | 約 25.97 Ω |
| T 型 R₂(並列) | 約 35.14 Ω |
| π 型 R₃(並列) | 約 96.25 Ω |
| π 型 R₄(直列) | 約 71.15 Ω |
注意点
- 純抵抗の理論値で、許容差・電力定格・温度特性・周波数特性は考慮しません。電力定格は計算しません。
- アンプ・スピーカー・電源などに接続したときの安全性・動作は、保証しません。機器の説明書・メーカーの指示に従ってください。
- 電気の安全に関する注意:感電・火災・ショートの危険があります。高電圧・大電流・商用電源・アンプの出力に触れる作業は、資格のある人に依頼してください。
- 倍率と dB の換算はdB と電圧比・電力比の換算、電圧・電流・電力・抵抗の関係はオームの法則・電力計算、スピーカーの合成インピーダンスはスピーカーインピーダンス合成が使えます。
よくある質問
T 型と π 型は、どちらを使えばよいですか?
どちらも、同じ減衰量・同じインピーダンスの設計です。必要な抵抗値が、手元の部品で作りやすいほうを選んでください。
抵抗は、E 系列の値に丸められますか?
いいえ。計算した値をそのまま表示します。実際には、近い値の抵抗を選ぶ必要があり、その分、減衰量やインピーダンスは、設計値から少しずれます。
減衰量は、電圧比と電力比のどちらですか?
信号源と負荷のインピーダンスが等しいので、同じ dB の値です。電圧比は K、電力比は K² です。