dBと電圧比・電力比の換算
dB と倍率を、電力比(10 × log10)と電圧比(20 × log10)で換算します。2 点の抵抗値が違うときの電力比も求められます。
電力比と電圧比の違い
dB は、2 つの量の比の対数です。比べる量が電力か**電圧(電流・音圧などの振幅)**かで、係数が違います。
- 電力比:dB = 10 × log10(P2 ÷ P1)
- 電圧比:dB = 20 × log10(V2 ÷ V1)(電流や音圧など、電力がその 2 乗に比例する量の振幅比も、同じ 20 倍の式です)
同じ dB でも、倍率は違います。たとえば 6 dB は、電圧では約 2 倍、電力では約 4 倍です。電力は電圧の 2 乗に比例する(P = V² ÷ R)ので、電圧が 2 倍になると、電力は 4 倍です。
法令(計量単位令)でも、電力の比のデシベルは常用対数の 10 倍、音圧レベルのデシベルは常用対数の 20 倍と定められています。
抵抗値(インピーダンス)が違うとき
「電圧比の dB = 電力比の dB」になるのは、V1 と V2 を測る 2 点で、抵抗値が同じときだけです。抵抗値が違うと、P = V² ÷ R から、次のようになります。
- 電力比 = (V2 ÷ V1)² × Z1 ÷ Z2(Z1:V1 を測る点の抵抗値、Z2:V2 を測る点の抵抗値)
- 電力の dB = 電圧の dB + 10 × log10(Z1 ÷ Z2)
電圧比を選び、Z1 と Z2 の両方を入力すると、この式で電力比と電力の dB を求めます。入力しないときは、抵抗値が同じとして計算します。
対象は純抵抗の条件です。コンデンサやコイルを含む複素インピーダンスの交流回路(位相のずれがある回路)は、このツールの対象外です。
倍率と dB の境界
- 倍率 1 → 0 dB。倍率が 1 より小さい(減衰)→ マイナスの dB(電力 0.5 倍 → 約 −3.0103 dB)。1 より大きい(増幅)→ プラスの dB。
- 倍率 0 → dB は定義できません(−∞ になる)。エラーとして知らせます。
- マイナスの倍率(例:電圧比 −2)→ 電圧の符号は位相の反転を表し、dB は大きさだけを表します。エラーにして、絶対値を入力するよう案内します。
- dB が 0 → 倍率 1。dB は −300〜300 の範囲で入力できます。倍率は整数部 12 桁・小数第 6 位まで入力できます。
計算方法と精度
対数と累乗は、通常の浮動小数点で計算し、結果を小数第 10 位(倍率は有効数字 12 桁)にそろえてから、表示の桁数に丸めます(誤差が表示に出ないようにするため)。倍率が 10 の整数乗、dB が 10 や 20 の倍数のときは、浮動小数点を使わず正確に求めます(10 倍 → 10 dB など)。割り切れない倍率は「丸めた値」と表示します。
計算例
- 電力 2 倍 → 約 3.0103 dB。電圧 2 倍 → 約 6.0206 dB
- 電力 10 倍 → 10 dB。電圧 10 倍 → 20 dB
- 電力 0.5 倍 → 約 −3.0103 dB
- −6 dB(電圧) → 約 0.5012 倍。−6 dB(電力) → 約 0.2512 倍
- 3 dB(電力) → 約 1.9953 倍
- 40 dB(電圧) → 100 倍(電力に直すと 10,000 倍)
- 抵抗値が違う例:電圧が 2 倍で、Z1 = 600 Ω、Z2 = 50 Ω → 電力比 = 4 × 12 = 48 倍(約 16.81 dB)。電圧の dB は約 6.02 dB
注意点
- 扱うのは、基準のない相対の dBだけです。基準値を持つ dB(dBu・dBV・dBm・dB SPL・dBFS など)は扱いません。
- dB 値どうしの合成は音圧レベルの合成計算、距離による dB の変化は音圧の距離減衰計算を使ってください。
- 電圧・電流・抵抗・電力の関係はオームの法則・電力計算で求められます。
よくある質問
3 dB 上がると、何倍ですか?
電力は約 2 倍、電圧は約 1.41 倍です。
6 dB 上がると、電圧は何倍ですか?
約 2 倍です(電力は約 4 倍)。
−20 dB は、電圧で何倍ですか?
0.1 倍です(電力では 0.01 倍)。
dB の計算で、なぜ電圧は 20 倍なのですか?
電力が電圧の 2 乗に比例するからです。log10(V²) = 2 × log10(V) なので、10 × log10(電力比) は 20 × log10(電圧比) になります。