カメラ画角・撮影範囲計算
焦点距離とセンサーの大きさから、画角(水平・垂直・対角)と、撮影距離での撮影範囲を計算します。人物の身長を入れると、フレームへの写り方と、全身が入る距離も確認できます。写したい範囲から焦点距離を求める逆算もできます。
人物のフレーミングの使い方
「人物のフレーミング」では、人物の身長・焦点距離・被写体までの距離・カメラの向きを変えると、上のプレビューの人物の写り方が、ページを読み込み直さずに変わります。
- 焦点距離を長くする、または被写体に近づくと、人物は大きく写ります。短くする、または離れると、小さく写ります。
- 身長が高いほど、同じ条件でも、全身がフレームに収まりにくくなります。
- 横位置から縦位置に変えると、フレームの縦が長くなり、縦方向に入る範囲が広がります(フルサイズなら 3:2 が 2:3 になります)。
- 頭や足がフレームの外に出る条件では、プレビューでも、その部分が切れて表示されます。プレビューの中だけ人物を縮めて全身を入れることはしません。「全身が入るか」の表示も、「足が切れます」「頭と足が切れます」のように、切れる部位を示します。
- 照準位置を、「頭上余白あり」(頭の上に、フレームの高さの約 8% の余白を作る。初期値)と「全身中心」(身長の中央をフレームの中央に合わせる)から選べます。頭上余白ありは、頭の上に少し余白がある、一般的な全身写真の構図に近い見え方です。焦点距離や距離を変えても、頭頂が枠の上端から約 8% 下の位置に来るまま、拡大・縮小します。頭上余白がある分、全身中心より少しだけ遠い距離が必要です(たとえば、身長 160cm・50mm・フルサイズ・横位置で、全身中心なら理論上 約 3.33m、頭上余白ありなら約 3.62m)。
結果の見方
- 人物の縦方向の占有率=人物の身長 ÷ 縦方向の撮影範囲。たとえば、身長 160cm で縦方向の撮影範囲が 240cm なら、約 66.7% です。100% を超えると、全身は入りません。
- 全身が入る最短距離=必要な高さ × 焦点距離 ÷ 縦方向のセンサーの寸法。上下に余白がない、理論上の距離です(0.1m 単位で切り上げて表示するので、表示の距離なら全身が入ります)。必要な高さは、全身中心では身長、頭上余白ありでは「身長 ÷ 0.92」(上の余白 8% を除いた高さに、身長が収まる)です。
- 余白ありの推奨距離は、全身が入る最短距離を 0.9 で割った距離です(必要な高さが、フレームの高さの 90% を占める距離)。頭上余白ありでは、頭の上の約 8% に加えて、足元にも約 9% の余白ができます。
- 「全身が入るか」は、表示のために丸める前の値で判定します。
このプレビューについて
- カメラは、「頭上余白あり」では頭頂が枠の上端から約 8% 下になるように、「全身中心」では人物の身長の中央を枠の中央に、狙っている前提です。実際の写真では、撮影者のカメラの高さや傾きで、写り方が変わります。このプレビューは、撮影範囲の目安です。
- 静止した人物を、正面から撮影した単純化したモデルです。遠近感の変化、広角での周辺の歪み、レンズの歪曲収差、被写界深度、背景のボケは再現していません。
- 人物のイラストは、身長に合わせて選ぶ表示上の区分です(40〜79cm:乳児、80〜119cm:幼児、120〜149cm:子ども、150cm 以上:大人)。実際の年齢を推定するものではなく、乳児のイラストも、立った姿勢の寸法のイメージです。身長に応じて、全高が正確に変わります。
- 距離が焦点距離の 10 倍以下のとき、近似式の誤差が大きくなるので、注意を表示します。この計算は薄いレンズ・遠距離の近似なので、それより遠い距離でも誤差は生じ得ます。レンズの最短撮影距離は考慮していません。
- 「50mm で全身を撮るには何メートル離れればいい?」といった目安は、焦点距離と距離を変えて、プレビューと「全身が入る最短距離」で確かめられます。
画角と撮影範囲の計算方法
幾何学的な理想モデル(ピンホール)で、無限遠にピントを合わせたときの値を求めます。
- 画角 = 2 × atan(センサーの寸法 ÷ (2 × 焦点距離))
- センサーの寸法に、幅を使うと水平画角、高さを使うと垂直画角、対角(√(幅² + 高さ²))を使うと対角画角になります。
- 撮影範囲 = 撮影距離 × センサーの寸法 ÷ 焦点距離(相似な三角形の比。幅・高さ・対角のそれぞれに使います)
- 逆算(必要な焦点距離)= 撮影距離 × センサーの寸法 ÷ 写したい範囲の長さ
撮影範囲と焦点距離の逆算は、三角関数を使わない分数の計算なので、正確です(対角だけ、平方根の近似を含みます)。画角の角度だけ、逆正接(atan)を通常の浮動小数点で計算し、小数第 10 位にそろえてから、表示の桁数に丸めます。画角が 0° や 180° に丸まって見えるときは、桁数を増やして表示します。
人物のフレーミングの計算
- 縦方向の撮影範囲 = 撮影距離 × 縦方向のセンサーの寸法 ÷ 焦点距離(横位置ではセンサーの短辺、縦位置では長辺を使います)
- 占有率 = 身長 ÷ 縦方向の撮影範囲(照準位置によりません)
- 全身が入る条件:頭頂と足裏が、どちらもフレームの中に入ること。全身中心は 身長 ≦ 撮影範囲の高さ。頭上余白ありは、頭頂を枠の上端から撮影範囲の高さの 8% 下に置くので、身長 ≦ 撮影範囲の高さ × 0.92
- 全身が入る最短距離 = 必要な高さ × 焦点距離 ÷ 縦方向のセンサーの寸法(必要な高さ:全身中心は身長、頭上余白ありは 身長 ÷ 0.92)
- 余白ありの推奨距離 = 最短距離 ÷ 0.9
すべて分数で正確に計算し、丸めるのは表示のときだけです。
センサーの寸法
プリセットは、35mm 換算焦点距離のツールと同じ寸法です(フルサイズ 36 × 24 mm、APS-H 27.9 × 18.6 mm、APS-C〈キヤノン〉22.3 × 14.9 mm、APS-C〈ニコン DX〉23.5 × 15.6 mm)。出典と確認日は、35mm換算焦点距離・クロップ係数のページにあります。寸法は機種により少し違うので、お使いのカメラの仕様表の寸法を、手入力すると、より正確になります。マイクロフォーサーズなどは、手入力してください。
計算例(フルサイズ 36 × 24 mm)
| 焦点距離 | 水平画角 | 垂直画角 | 対角画角 |
|---|---|---|---|
| 24 mm | 約 73.74° | 約 53.13° | 約 84.06° |
| 50 mm | 約 39.60° | 約 26.99° | 約 46.79° |
| 200 mm | 約 10.29° | 約 6.87° | 約 12.35° |
- 撮影範囲:50 mm・フルサイズ・撮影距離 3 m → 幅 2.16 m、高さ 1.44 m、対角 約 2.596 m
- 逆算:3 m の距離で、幅 2.16 m を写すには、フルサイズで焦点距離 50 mm
実際の画角・撮影範囲との違い
- メーカーの公称値との差:メーカーが示す画角は、計算値と一致しない場合があります。たとえば、ニコンはフルサイズの 50 mm の対角線画角を 46° と案内していますが、この式の計算値は約 46.8° です。
- 歪曲収差:レンズのひずみで、画面の端に写る範囲が、計算と少し違います。
- フォーカスブリージング:ピントを近くに合わせると、画角が変わるレンズがあります。このツールの式は、無限遠にピントを合わせたときの値です。
- 撮影距離の基準点:センサー面・レンズの前玉など、どこから距離を測るかで、近距離では撮影範囲が変わります。
- 焦点距離の公称値:レンズの焦点距離の表示は公称値で、実際の値と少し違うことがあります。ズームレンズは、目盛りの位置でも違います。
- センサーの使用領域:動画のクロップ、電子手ぶれ補正、縦横比の設定で、実際に使うセンサーの領域は、公称の寸法より小さくなります。
注意点
- 焦点距離・センサーの寸法・撮影距離・範囲は、0 より大きい数(整数部 9 桁、小数第 6 位まで)で入力します。
- 撮影距離の単位は m・cm・mm・ft・in から選べます。撮影範囲は、選んだ単位で表示します。
- 対角の長さは、整数の平方根で小数第 40 位まで近似して計算します(結果は「丸めた値」と表示します)。
- カメラのセンサーの大きさの違いによる焦点距離の換算は、35mm換算焦点距離・クロップ係数で求められます。画面や映像の縦横比はアスペクト比計算、プロジェクターの投写距離はプロジェクター投写距離計算を使ってください。
よくある質問
画角とは何ですか?
カメラが写せる範囲を、角度で表したものです。水平方向・垂直方向・対角方向の 3 つがあり、レンズの仕様で単に「画角」と書かれているときは、対角の画角が多く使われます。
焦点距離が短いと、画角はどうなりますか?
画角は広くなります(広角)。焦点距離が長いと、画角は狭くなります(望遠)。
同じレンズでも、カメラによって画角が違うのはなぜですか?
センサーの大きさが違うからです。センサーが小さいほど、同じ焦点距離でも画角は狭くなります。
50mm のレンズで、全身を撮るには何メートル必要ですか?
身長 160cm の人を、フルサイズ・横位置で、頭の上に約 8% の余白を作って撮る場合(人物のフレーミングの初期設定)、全身が入る距離は、理論上、約 3.62m です(160cm ÷ 0.92 × 50mm ÷ 24mm)。ツールでは、0.1m 単位に切り上げて「約 3.7m 以上」と表示します。足元にも余白を見込むなら、理論上は約 4.03m(ツールの表示は約 4.1m)が目安です。身長の中央をフレームの中央に合わせる「全身中心」なら、理論上 約 3.33m です。縦位置にすると、縦方向の撮影範囲が広がるので、頭上余白ありで、理論上は約 2.42m(ツールの表示は約 2.5m)まで近づけます。条件を変えた結果は、「人物のフレーミング」で確かめられます。
赤ちゃんや子どもの撮影にも使えますか?
身長 40cm から入力できます。人物のイラストは、乳児・幼児・子どものそれぞれの体型で表示します。ただし、立った姿勢の寸法のイメージで、寝ている姿勢や抱いた姿勢の撮影範囲を再現するものではありません。